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耳で聴こえない音 

先日、新宿でやっていた山城組のケチャ祭りに行ってきた。
田口ランディの本などで読んでいたガムランの生音を聴いたことがなかったので、これはチャンスだなあ。と。

ガムランの音っていうのはハイパーソニックエフェクトといって人間の可聴領域を外れた高周波成分である超音波を聴くことで、"脳が活性化する"効果があるらしい。(まあ、脳云々はどうでもいいんだけども)

普通、人間の可聴域はせいぜい20kHzぐらいでそれ以上の音は聞き取ることができない。
だからCDに録音されている音楽の周波数成分も上限は20kHzだし、ギターやピアノなど、日常的に目にすることができるような楽器を鳴らしてもその程度の音域までしかでない。
ところが、ガムランは20kHzどころか100kHz!を越える音域まで音を奏でることができる。

で、その演奏なんだけども、すごい!
凄い。ガムランの倍音はこれほど気持ちいいものなのか。
聴くことのできない音は、ダイレクトに身体に作用するらしく、なんか体内で響き回っていてるのが分かった。
不思議な体験。Youtubeとかでガムランの音色は聞けるけども、高周波は感知できない。
これはやはり体験しないと!

途中、女性がふたり出てきて舞を踊ったんだけど、最初はゆるやかにそして、途中からトランス状態のような動きを見せて、うわーと思ってたら、シヴァ神を模した踊り子がばっーと出てきて、このシヴァ神の装飾がもの凄くケバケバしくて。おそろしくて。
視覚的にも、動きにも、そしてそのバックで流れているガムランでもやられるわで、こりゃ凄かった。
いやあ、もう言語化できない。音も体験もまったく言語化できない領域なんだもん!


続いて、ケチャ。
これも日記を書いておきながらうまく説明できません。
映像を見てください。



(サル登場。2:15あたりから歌い出します。)

これがケチャなんだけど、起源は1933年と、実は結構新しい文化なんだそうで。
これだけ呪術的な雰囲気なんだから古代から伝わっているのかと思いきやそうではないらしい。
で、これ観て思ったんだけど、呪術儀式というより、ギリシア神話劇に近いんじゃあないか。
ケチャの構成は、お話(バリに伝わる神話)を何人かの踊り手で演じて、その周りをサルと呼ばれる男たちが囲うというものなんだけど、ちょうどこのサルたちがギリシャ神話劇でいうところのコロスの役割にあたるんだと思う。

コロスよりも断然うるさいんだけど 笑
でもこのうるささがケチャの魅力で。サルたちが「チャ」などの擬音やうなり声をあげて、それがポリリズム化して、おかしな気持ちになってくる。劇が寂しい場面になると、サルたちも寂しそうにして、騒ぐ場面では俄然はりきったりもする。
演じてるのはみな裸のおっさんたちだったけど、そんなおっさんたちがかわいくみえてしまった。

「チャ」のポリリズムに、派手な仮面や化粧、そして踊り、凄い。
是非、機会があったら体験してみるのをおすすめします。

で、これ演じてるのは実は全員、日本人。なんでバリの民族文化を日本人がやってるんじゃい。
という疑問があるけれど、これはそういうエキゾチズムの問題ではなくて、都市化された環境のなかに人類の本来性に根ざした「新しい祭りの原型」を創造することをめざすというスタンスで、日本人が他民族の文化を学び、継承、伝達することによって、国云々の狭い枠にはまらずに、土着的な文化を廃らせないようにしようという試みのもとに行われている活動らしい。

パンフを読んでみるとこの集団が結成されたのは1976年。
ということはアンダーグラウンドと呼ばれる、唐十郎や寺山修司や、土方巽などが勃興してた時代、これは高度経済成長へ向かう社会へのアンチテーゼ、カウンターカルチャーとして土着性が流行していた頃にうまれた集団だったのだ。

たしかに12音音階で制御された音楽ばかりの中に、12音音階を飛び越えるものや、もう耳に聞こえない音を出す楽器があって、鳴ってて、そういう音楽があるんだってことは知らなくちゃいけないんだろうな。

それは二項対立的な世界や相対的に固まった構図に支配されないってことの象徴かもしれない。
ちょっと大げさか。でもこの集団がやりたいのってこれなんだと思う。
だって、このケチャ祭り、田舎や山奥でやってるんじゃなくて、新宿のしかも都庁に近い都会の中枢のビル郡でやってるんだから。
ものすごくラディカルじゃん。パンクじゃん。でも、戦闘的ではなくて。みんなでわいわいやってる。
この都会ではまだ、ケチャ祭りもあるし、紅テントもあるし、暗黒舞踏だってあるんだ。
都会の暗渠にまだこういう文化があるってことは、素晴らしいことだ!と思う。


ガムランとダンス。シヴァ神が恐くてカッコいい。


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